会社員が不要な保険を削る判断基準|保険見直しチェックリスト7項目

保険証券を確認する会社員のイラスト 必要性・見直し

会社員が保険を見直すなら、まず「公的保障でどこまでカバーされているか」を確認することが先決です。

会社員には傷病手当金・高額療養費制度・雇用保険といった手厚い公的保障があります。これを知らずに民間保険に入り続けると、保障が二重になり保険料を無駄に払い続けることになります。

この記事では、不要な保険を削るための判断基準をチェックリスト形式で整理します。自分の状況と照らし合わせながら確認してみてください。

会社員が持つ公的保障を先に把握する

保険の見直しは、まず「公的保障で何がカバーされているか」を確認することから始めます。これを把握せずに民間保険を削ると、本当に必要な保障まで外してしまうリスクがあります。

傷病手当金:病気・ケガで働けない場合の収入保障

会社員(健康保険加入者)が病気やケガで連続4日以上休んだ場合、傷病手当金が支給されます。支給額は「直近12ヶ月の標準報酬月額の平均 ÷ 30日 × 2/3」が目安で、最長1年6ヶ月受け取ることができます(協会けんぽ公式)。

たとえば月収30万円の会社員なら、1日あたり約6,666円(月換算で約20万円)が支給される計算です。収入の約3分の2が確保されるため、民間の就業不能保険や所得補償保険の必要性は状況によって低くなります。

高額療養費制度:医療費の自己負担を抑える仕組み

1ヶ月の医療費が一定額を超えた場合、超過分が払い戻される制度です。年収約370〜770万円の会社員であれば、自己負担の上限は月8万円台が目安になります(所得区分により異なる)。

なお、2026年8月以降に自己負担限度額の引き上げが予定されています(参考: 2026年8月改正対応)。要確認:最新の区分・金額は加入している保険者(協会けんぽ・健康保険組合)に確認してください。

雇用保険:失業した場合の所得補填

会社都合や一定条件での自己都合退職の場合、雇用保険から失業給付(基本手当)が受け取れます。給付期間や金額は年齢・雇用保険の加入期間・退職理由によって異なります。

これらの公的保障を前提としたうえで、民間保険の過不足を判断することが見直しの基本です。

不要な保険を削る判断基準:チェックリスト7項目

以下の7項目を確認してください。チェックが入った保険は、解約・減額・特約外しを検討する余地があります。ただし、保険の削減には個人の状況(家族構成・貯蓄額・健康状態)が大きく影響するため、最終的な判断は慎重に行ってください。

チェック1:独身・扶養家族がいない状態で死亡保険に加入している

死亡保険の主な目的は「遺された家族の生活費を補う」ことです。独身で扶養する家族がいなければ、高額な死亡保障は不要になりやすいです。

ただし、住宅ローンの団体信用生命保険(団信)で死亡保障がカバーされている場合は、民間の生命保険と重複している可能性があります。保有している死亡保障の総額と、実際に必要な額(遺族の生活費・ローン残高など)を比較してみてください。

チェック2:医療保険の入院給付金を根拠なく高額に設定している

入院1日につき1万円などの高額設定にしていても、実際の入院日数は年々短縮されています。厚生労働省のデータによれば、一般病院の平均在院日数は約16〜17日程度です(要確認:最新データは厚生労働省「患者調査」で確認してください)。

また、高額療養費制度があるため、医療費そのものの自己負担はある程度抑えられます。入院給付金の日額が高すぎる場合は、減額を検討する余地があります。

医療保険の必要性の判断については、会社員に医療保険は不要か?傷病手当金・高額療養費で代替できる範囲と加入が必要な条件も参考にしてください。

チェック3:就業不能保険に加入しているが傷病手当金と保障が重複している

民間の就業不能保険は「働けなくなった場合に月々の給付金を受け取る」商品です。会社員はすでに傷病手当金(最長1年6ヶ月)があるため、就業不能保険の保障開始を「傷病手当金が終了する1年6ヶ月後から」に設定していない場合、保障が重複します。

給付期間や待機期間の設定を確認してください。傷病手当金と重複している期間の保険料は無駄になっている可能性があります。

チェック4:がん保険に複数加入している、または特約が重複している

「医療保険にがん特約」「独立したがん保険」に同時加入しているケースがあります。がんになった際の実際の支出(治療費・差額ベッド代・通院費など)と、加入中のがん関連保障の合計を比較してください。

また、三大疾病特約・がん診断一時金など名称が異なっても内容が重複していることがあります。特約の内容は保険証券で確認してください。

チェック5:貯蓄が一定額を超えているのに貯蓄型保険を継続している

終身保険や養老保険などの貯蓄型保険は、保険機能と貯蓄機能を兼ねています。ただし、返戻率が低い商品や、流動性の低い保険に保険料を払い続けることが合理的かどうかは、現在の貯蓄額と照らし合わせて判断が必要です。

貯蓄が十分にある場合、純粋な保障(定期保険)に切り替えて保険料を下げるほうがコスト効率がよい場合があります。ただし、解約返戻金・払い済み保険・減額といった選択肢の損得は商品ごとに異なるため、個別に確認が必要です。

チェック6:子どもの学資保険に入っているが教育費が別途確保されている

学資保険は子どもの教育費を積み立てるための商品です。NISAや積立定期などで教育費をすでに積み立てている場合、学資保険との保障・積立が重複していないか確認してください。

学資保険の保険機能(親の死亡保障)を目的としているなら、死亡保険の保障額と合算して過不足を判断してください。

チェック7:自分が使う予定の低い特約が複数ついている

保険に追加されている特約には、「先進医療特約」「女性疾病特約」「傷害特約」など多様なものがあります。それぞれの内容と月額保険料を一覧化し、本当に必要かどうかを判断してください。

特約単体での解約は可能なケースが多いため、主契約を解約せずに特約だけを外す方法も検討できます。

見直しの進め方:3ステップ

ステップ1:保険証券をすべて並べる

加入中の保険をすべて一覧化します。保険の種類・保険会社・月額保険料・保障内容・保障期間を書き出してください。複数の保険に加入している場合、保障が重複していることに気づきやすくなります。

ステップ2:公的保障との重複を確認する

一覧化した保険と、傷病手当金・高額療養費・雇用保険の保障範囲を照らし合わせます。同じリスクを公的保障と民間保険が二重にカバーしている場合、民間保険側を削減・解約する候補になります。

ステップ3:残す保険の優先順位をつける

削減・解約を検討する保険が絞れたら、「なぜその保険に入ったか」を振り返ります。当時と状況が変わっている(扶養家族ができた・ローンを完済したなど)場合は、見直しのタイミングです。

見直しのタイミングや手順の詳細については、保険の見直し時期と手順|無駄な保険料を削減するチェックリストもあわせて確認してください。

削減しやすい保険・残すべき保険の目安

以下はあくまでも一般的な傾向です。個人の状況によって判断は大きく異なります。

削減・解約を検討しやすい保険(会社員の場合)

  • 扶養家族がいない状態での高額な死亡保険
  • 傷病手当金と保障期間が重複している就業不能保険
  • 特約が多すぎる医療保険(特約の整理で保険料削減)
  • 貯蓄が十分にある状態での貯蓄型保険(状況による)

残しておいたほうがよい保険の目安

  • 扶養家族(特に子ども・配偶者)がいる場合の死亡保険
  • 傷病手当金終了後をカバーする就業不能保険
  • 高額療養費でカバーされない差額ベッド代・先進医療に備えた医療保険
  • 住宅ローン残高がある場合の収入保障保険

医療保険の必要性については、医療保険は本当に必要か?公的保険でカバーできる範囲から考えるでより詳しく解説しています。

まとめ:公的保障を確認してから削る

会社員が保険を見直す際のポイントは次のとおりです。

  • 傷病手当金・高額療養費・雇用保険といった公的保障を先に把握する
  • 民間保険が公的保障と重複していないかをチェックする
  • 家族構成・貯蓄額・ライフステージに合った保障かどうかを判断する
  • 削減できる特約・保険を絞ったうえで、解約・減額・払い済みの選択肢を検討する

保険の削減は「とりあえず解約」ではなく、公的保障との整合を確認したうえで判断することが重要です。不安な点がある場合は、特定の商品を勧めない独立系のFP(ファイナンシャルプランナー)に相談することも選択肢のひとつです。

なお、高額療養費制度の自己負担限度額は2026年8月以降に変更が予定されています。保険を見直す際は、最新の公的保障の内容を確認してから判断してください。

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