会社を辞めてフリーランスになった途端、「保険って何から手をつければいいの?」と不安になる方は多いです。会社員時代は給与天引きで見えにくかった保障が、独立後は自分で設計しないと穴が空きます。
この記事では、優先順位をつけて入るべき保険5つを、会社員との違いを踏まえて整理します。
この記事でわかること
会社員からフリーランスで失いやすい保障
まず押さえるべき保険5つの優先順位
就業不能リスクに備えるときの考え方
保険料をかけすぎないための目安
会社員とフリーランスで保険はどう違う?
独立で変わる主な点は次のとおりです。
保障
会社員
フリーランス
健康保険
協会けんぽ・組合健保(会社負担あり)
国民健康保険(原則自己負担)
年金
厚生年金+国民年金
国民年金が中心
傷病手当金
条件を満たせば利用可
原則なし
雇用保険
失業給付あり
原則なし
特に大きいのは傷病手当金がないことです。働けない期間の収入減を自分で設計する必要があります。
フリーランスが入るべき保険1:国民健康保険
退職後は、原則として期限内に健康保険の切り替え手続きが必要です。自治体の国保へ入るか、条件次第で任意継続を使うかを比較します。
保険料を抑える選択肢
国保組合:職種・地域によっては定額に近い設計で有利な場合がある
任意継続:退職後2年間、元の健康保険を継続できる場合がある
最初の1年は所得見込みが読みにくいので、複数パターンを試算しておくと安心です。
フリーランスが入るべき保険2:国民年金+上乗せ対策
国民年金は土台ですが、将来受給を考えると上乗せ設計も検討対象です。
付加年金:小さな負担で将来年金を増やせる
iDeCo:節税と老後資金づくりを同時に進めやすい
「保険」と「積立」を分けて考え、短期のリスクと長期の老後資金を分離すると設計しやすくなります。
フリーランスが入るべき保険3:就業不能保険
傷病手当金の代替を考えるうえで、優先度が高いのが就業不能保険です。病気やけがで長期間働けないとき、月額給付で収入減を補う設計ができます。
チェックポイント
免責期間(60日・90日など)を、手元資金で耐えられるか
精神疾患の扱いが対象か、制限付きか
給付月額が生活費・固定費に対して過不足ないか
詳しい比較は「就業不能保険とは?」「給付条件」も参照してください。
フリーランスが入るべき保険4・5:所得補償と業務賠償
4. 所得補償保険(短期の休業向け)
就業不能保険より短い期間の休業リスクを対象にしやすい商品群です。就業不能保険と重複させるより、免責期間の穴埋めとして組み合わせると設計しやすいです。
5. 個人賠償責任・業務賠償(職種次第)
情報漏えい、納品ミス、著作権トラブルなど、業務上の賠償リスクに備える保険です。IT・デザイン・コンサルなど、成果物責任が重い職種は検討優先度が上がります。
優先順位と月額目安
優先度
保険・制度
目安
理由
必須
国民健康保険
所得・自治体で変動
医療アクセスの土台
必須
国民年金
法定額
老後の基礎保障
高
就業不能保険
年齢・保障額で変動
働けない期間の収入対策
中
iDeCo等の上乗せ
任意
老後資金と節税
職種次第
業務賠償系
商品差あり
取引先への賠償リスク対策
迷ったときの決め方
まずは次の順で判断すると、かけすぎを避けやすいです。
生活費何か月分の現預金があるか確認
収入停止が3か月続いた場合の不足額を試算
不足分を就業不能保険・所得補償で補う
仕事の賠償リスクが高いなら業務賠償を追加
ケース別の優先順位
独身で固定費が低い人
まずは生活防衛資金を厚めに確保し、就業不能保険は最低限の月額から始める方法が現実的です。売上が安定したら給付月額を増額する形でも遅くありません。
扶養家族がいる人
就業不能時の収入減だけでなく、万一時の家族保障も重要になります。就業不能保険に加えて死亡保障の必要額を確認し、過不足のない設計にするのがポイントです。
高単価だが波が大きい職種
平常時の収入が高くても、案件停止時の落差が大きいなら保険の必要性は高まります。固定費と生活費の最低ラインを明確にして、必要月額を逆算してください。
よくある疑問(FAQ)
就業不能保険と所得補償保険は両方必要ですか?
両方必須ではありません。手元資金で免責期間を耐えられるなら、就業不能保険を中心に組む方法があります。逆に貯蓄余力が小さい場合は、短期補償を組み合わせる選択肢があります。
iDeCoと保険、どちらを優先すべき?
独立初期は、まず短期の資金ショックに耐える設計を優先するのが一般的です。最低限の保障を整えてから、iDeCoの拠出額を増やす順番のほうが資金繰りは安定しやすいです。
保険料の目安はどのくらい?
一律の正解はありませんが、家計と事業の固定費を圧迫しないことが大前提です。まず必要保障額を決め、重複保障を減らして総額を調整するのが基本です。
まとめ
フリーランスは会社員と違い、傷病手当金の空白が大きい
国民健康保険・国民年金は土台として必須
民間保険は、まず就業不能リスクから優先して設計する
保険料総額は手取りとのバランスで調整し、重複を避ける
「何にいくら備えるか」を見える化すれば、保険は不安対策ではなく経営判断になります。必要ならFP等に相談しつつ、年1回の見直しもおすすめです。

